Concept
東側の前面道路幅員も広くゆったりとした環境の中に南欧風の外観。
道路面と敷地には1.5mの高低差がある為、建物の高さを低く抑える為に2階部分の桁天を下げ、南側に対して大屋根をかけるデザインとし、北側斜線制限をかわす高さにしている。
また、屋根をくり貫いたカタチでバルコニーを設ける事で2階の南側に面する居室へ採光を確保している。
駐車スペースからはメインのアプローチとサブ的な二つの同線を確保している。
メインアプローチの階段は古材の枕木で造り、植栽の森を通り抜け玄関へと向かう。
サブ的に確保した北東側の階段からは駐輪スペースへの動線やゴミ捨て、電気の検診の時に使ってもらいたいと考えている。
ウッドデッキのポーチから玄関に入ると曲線の玄関框が柔らかく迎え、シューズクロークから上がるとそこですぐに手洗いが出来て、そのままキッチンに行ける動線。
12帖のリビングダイニングは勾配天井で空間をより広く感じる事が出来て、北側の上部にはバルコニーに面する位置に高窓があり、採光と通風効果を狙っている。
またリビングの南側には広縁があるが、敢えて段差を設け床の素材を変えている。
床材はイペの無垢材で、玄関ポーチの仕上げと素材と高さを揃えガラスで空間を繋いでいる。
キッチンから見渡せる空間構成は家族の気配を一つにする。
ご主人の為のパソコンスペースからはテレビも見れ、すぐ隣の食品庫にはお菓子が入っていて、すぐに手が届く。コンパクトにまとまったキッチンは作業効率が上がると考えている。
サブタイトルにしてあるwhite campusとは、家が奥様のアレンジによって変化し彩りを加える事でこれからの生活を楽しく過ごして頂く思いを込めている。つまりは建物は主張せずシンプルにまとめ、機能性と面白さが調和した空間に仕上げたいと思っている。
家創りとは、将来的にずっと続いていくものだと考えている。その時その時の流行を追いかけるのでは無くて、段階的に継続的に変化しその時のライフスタイルを表現できる事が必要ではないだろうか。
山口県下関市石神町 2015,2 竣工