2012,2 竣工
concept
少し高台に位置する184坪の変形地にあわせ土地環境とライフスタイルが最大限生かせる配置計画とした。1階面積29坪のゆったりとした平面計画の中で最も意識し大切にした事は『気配感』である。ここでいう気配感とは、家族の気配、環境の気配、そして野菜の気配。空間が連続する事。1階と2階をつなぐ光の吹抜けは煙突効果の役目を担い、熱い空気は外へと排気される。室内から屋外へそしてまた室内へ送られる視線の先には家族の姿がある。リビングダイニングからは大切な畑が眺められ、日々成長する野菜たちが庭をデザインする。明るいLDK空間には、夏至の日の出から春分・秋分の日の入りまでしっかりと日射を取り込み、西日は取り入れない。深い軒が夏の暑い日差しを遮り、冬の暖かい日差しは家の奥へと届けられる。風が建物の中を通り抜けて行く様に開口部を配置し光と風をデザインしている。大きな屋根は雨の受け皿。ありがたい自然の恵みは1ヶ所に集められ、後日畑に撒いてもらう。朝日をベッドで感じて起床し太陽と共に一日が始まる暮らし。朝一の野菜たちへの水遣りがこれからの日課になる。ご希望一つ一つのボリュームを整理し、その中に自然環境を取り入れ、この土地だからこの家が生まれたと思っている。